いつも通り仕事をしていたら、
社長からの呼び出し・・・
少しの不安を感じ、社長室に入ります。
社員「トントン」
社長「まあ入れ」
社員「失礼します」
〃 「社長お話しとは?」
社長「実は会社の業績が年々落ちていてだな」
社員「はい」
社長「君を解雇することになった」
社員「え?・・・ほんとですか?」
社長「そうだ、すまないな」
社員「・・・・・どうしよう・・・・・」
あなたがサラリーマンなら、
こんな場面なんて想像したくないですよね?
しかし、意外と身近にその危険があるということは、
知っておいて損はないと思います。
そもそもなぜ業績不振でリストラされるのかは、
2パターンに分けられます。
1つはその会社の取引先が減ったり、
仕事を上手く取れなくて仕事量が減ることです。
例えば、同じ業種の他社の方がサービスや品質が良ければ、
今までの取引先が他社に乗り換えてしまったりします。
長年継続的に大口の仕事をくれていた取引先であれば、
小さい会社の場合、一気に経営が傾きます。
そして、さらに気にしないといけないのが
社長の経営センスです。
他社は時代に合わせて新しい戦略や、
サービスを生み出していきます。
社長が古い考えの人で、
新しいものを取り入れることに積極的でなければ、
他社との競争にあっさりと負けてしまいます。
新しいサービスで低価格、そして品質も良い、
かたや時代遅れのサービスで品質は良いが料金も高い、
これならどちらが必要とされるでしょうか?
社長が昔成功した経営方法にこだわり続ける人だと、
案外それを突き通してしまってドボンもあり得ます。
それに新しい取引先を開拓しようと思っても、
サービスが負けていれば相手にもされません。
となると古い付き合いの取引先に、
いつまでも頼る経営体質になってしまいます。
そうなると、取引先が他の会社はこのサービスで
これくらいの価格だからそこに合わせてよ、と
言ってきても言いなりになるしかなく、
サービスや商品の利益を簡単に減らされてしまいます。
以前と仕事量が同じで会社の利益が減るということは、
人件費が経営を圧迫するということです。
会社としてもこの状態が続くと、
コストもかかり、経営が危うくなる場合もあるでしょう。
そうなった場合に誰かがリストラ対象になってしまいます。
あなたの会社が大口の取引先に頼っている状態なら、
こういう危険性があるということです。
そして2つ目が、時代と共に
その業種自体の需要が減るという現象です。
大手家電メーカ―などが分かりやすいですね。
昔はテレビや洗濯機などもそれほど普及しておらず、
また価格も高い傾向にあったので、
全ての家庭がそれらを揃えるにはお金がかかりました。
しかし、技術の進歩によってクオリティの高いものが量産できるようになると、
年々それらの価格も値下がりし、一般にも徐々に普及するようになりました。
すぐに壊れるものを作ってしまえば、
そのメーカーの家電は売れにくくなり、
悪評が広まってしまいます。
そのためメーカーは質が良くて長持ちする壊れにくい家電を作ります。
購入者としては、
普段使っていてもなかなか壊れるものでもないので、
新しいものを買う必要性が薄くなってしまうのです。
「新しいのは欲しいけど、今のものもまだ使えるし、
機能的にもそこまで不満はないから買わなくていいや」
となります。
家電が普及すればするほど、家電が売れにくくなります。
しかし、それらの家電を販売して大きくなった会社は、
すでに多くの社員を抱えているし、経営を続けないといけません。
そうなると必然的に改善を繰り返し、新製品を作ることになります。
「画質が良くなった!」「音が良くなった」「○○ができるようになった」
「汚れがさらに落ちやすくなった」
などといって、製品のスペックを上げるしかなくなります。
これに反応した一定数のお客が購入し、存続している状態ですが、
それでも会社の利益が上がらないと、大々的なリストラに繋がります。
人件費などの経費より販売利益が少なければ赤字です。
社員の給料がゼロで利益だけが入ってくるなら、
なかなか会社が潰れることはないでしょう。
商品やサービスの利益を食っているのは、
社員の人件費の割合が大きいです。
会社の利益を増やそうと必死になるより、
人件費を減らすほうが簡単で即効性があります。
他にも新聞会社なども需要が減った業種です。
昭和の世代では毎日新聞が届くというのが当り前でした。
しかし、携帯電話が普及した現在では、
インターネットに繋げば、欲しい情報はすぐに手に入ります。
新聞に載っている情報も調べればある程度出てきます。
それに新聞の情報を待つより、
ネットニュースの方がリアルタイムで更新されるので、
新聞のように次の日の朝や夕方まで待つ必要がありません。
年配の方で新聞を取っている人もいますが、
これからはほとんどの世代がネットを使うようになるので、
お金を払ってまで新聞を取るメリットが少なくなります。
(もちろん新聞にしかないコンテンツなどもあるので
それが目当てで購入する人はいると思います)
そして、これからの時代は、簡単な仕事から需要がなくなっていきます。
すでにスーパーなどのお店では、
レジ打ちの無人化が始まっています。
そもそもレジは商品の値段を読み取って、
合計金額を支払えばいいものなので人間がやる必要はないのです。
商品のパッケージに電子タグというものを貼り付ければ、
カゴに入れた全商品の金額を一瞬でスキャンし、
合計金額が出るという技術も開発されています。
現在は電子タグにコストがかかるのでまだ実用化まではいきませんが、
そのタグのコストが安くなれば、レジ打ちの仕事はなくなるかもしれません。
レジの人に商品を一つ一つ打ち込んでもらうより、
無人のレジにカゴごと通してささっと買い物を済ませたほうが楽ですしね。
以前TSUTAYAに久しぶりにいったのですが、
レジの一つが無人化されていて驚きました。
そもそも企業は人件費を削減したがっている
という前提を理解しておかないといけません。
会社の利益が月に1000万出ても、
人件費に700万かかっていればそれは大きなコストです。
1億の機械を導入して人が必要なくなるのであれば、
人件費はゼロになるので10数年で機械の元が取れます。
しかもそれ以降は、利益1000万ががっぽり入ってきます。
社員のように教育も必要ないですし、
指示を出しにくいということもありません。
機械は設定した通りに動いてくれますからね。
現在は、人間がやらないといけない仕事でも、
将来的にはどうなっているか分かりません。
会社で働けるということは、まだ機械に置き換えることができないということです。
逆に言えば、機械に置き換えられるようになれば人は必要なくなるということです。
僕らの知らないところで人件費削減の方法を探したり、
そのための機械などを開発している人がいます。
今、機械には置き換えることは無理だろうと思っている業種でも
これから先はどうなるか分かりませんからね。
昔は商品を買う際も必ず財布からお金を出し、
購入するというのが当り前でしたが、
現在では電子マネーで財布を取り出さなくても
カードや携帯で支払いができます。
過去には想像すらできなかったことが、
現在では生活の中の当たり前になっています。
つまり今不可能だと思われていることでも、
10年後には当たり前の存在になっているかもしれないということです。
その時、あなたの業種がその対象になっている可能性は十分あるということです。
他にも気にしないといけないのが外国人労働者の増加です。
これは年々増加傾向にあります。
以下は厚生労働省が提出した外国人労働者の推移です。
http://my72p.com/l/u/sm
知らない間にジリジリと外国人労働者が増えてきているのは、
国が外国人労働者の受け入れを積極的に行っているからです。
どんどん外国人労働者が増えていけば、
高度なスキルを持たない社員は社会に置いてかれます。
現在は都心部に外国人労働者が多いようですが、
地方の方にも徐々に進出してくるでしょうね。
外国人に仕事を取られるのは、なんとも言えない気持ちですが、
これからはお金の心配だけではなく、
仕事を取られないように頑張ることも必要になるかもしれません。
これらの危険性をふまえた上で、
僕らはこんな状況になってもあたふたしないように、
対策を取っていきたいものですね。