僕は数年前に会社を辞めました。
その理由の一つとして残業が嫌だったというのもあります。
僕は以前、家具を作る工場で働いていましたが、
納品量が多く納期が短い仕事が入ったりするので、
2~3週間休みなしで朝から晩まで仕事しないといけない時期が年に数回ありました。
もちろん、日常的に残業がある方に比べるとまだマシなほうだと思いますが、
それでも僕は残業が嫌で仕方なかったのです。
ただでさえ会社に居るのが苦痛なのに、
毎日何時間も滞在時間が延長されます。
同じ作業をロボットのように繰り返し、
昼を迎えたら燃料補給といわんばかりにご飯を口に詰め込み、しばしの休息のあと昼の部が始まります。
仕事から帰る頃には辺りもすっかり暗くなっていて、
「なんでこんなに仕事しないといけないんだよ」と肩を落として帰っていました。
別に給料がよければ不満もあまり持たずに済んだと思いますが、
1日の基本給が6000円で残業しても1時間1000円程度しかもらえないので、余計馬鹿らしくなります。
仕事から帰ったらもうクタクタです。
お風呂に入って晩御飯を食べ終わる頃には就寝1~2時間前です。
ご飯を食べたら動く気力もなく、
趣味を楽しむ時間も余力もなく、
出かけることもなく床につきます。
そんな日々を繰り返し、ようやく週末を迎えても会社は休ませてはくれません。
日曜日の朝の気分は最悪です。
車通りのないガラ空きの道を車で走りながら、
「みんな休日だから今頃寝てるんだろうな」
そんなことを思って運転していると、やけに早く会社に着いてしまいます。
先輩に挨拶を済ませ仕事が始まると、感情を殺して労働型ロボットに早変わりです。
そうはいえど人間なので、不快感を溜めながらも働きます。
そして仕事が終わる頃には、また空は真っ暗です。
仕事帰りに月曜日の弁当を買い置きするためにスーパーに立ち寄ると、
みな私服で家族や友人たちと楽しげに買い物をしています。
かたや汚れた作業着で買い物をする僕。
家に帰り風呂や晩御飯を済ませると、もうぐったり。
一週間の疲れがどっと襲ってきます。
「一体いつまでこんな生活が続くんだろう?」
「お金も時間もないとはまさにこのことだ」
「死ぬまでこんな風に生きていくのだろうか?」
人生に対して疑問ばかりが浮かびますが、
対処する術もなく、人生を変えられるとも思ってないので、
いつのまにか余計な考えを遮断し、現実から目をそらしていました。
僕がこの気持ちを鎮めるには現実逃避するしかなかったのです。
「もっと遊びたい」
「もっとお金が欲しい」
「もっと時間が欲しい」
そんなことを考えても実現できるとは思えませんでした。
忙しい日々に追われながら、どんどん歳をとっていきます。
何も変わらない毎日、相変わらずの残業、
何一つとして転機を迎えることもなく単調な日々は続いていきます。
「もう辞めるしかない」
それまで自分の生活に疑問を持ちつつも、
これが自分の人生だと思って苦しい生活を送り続けていました。
でも、このままこの会社に居続ければ必ず後悔することも内心わかってはいたんです。
お金もない、時間もない、昇給も望めない、
ボーナスもない、休日も働かされる、職場の人間関係も嫌い。
あと何年かこの会社に居れば、年齢的に後がなくなり、一生ここで働くことになる。
それだけは絶対嫌だ。
そう感じた僕は退職願を社長に渡しました。
会社を辞めた後、僕は実家の自営業を手伝いながらインターネットを使ったビジネスを始めました。
なけなしの預金で中古のパソコンを買い、ネット回線を引いてビジネスをスタートします。
最初の方は失敗もしますが、ある日始めて自分の力だけでお金を稼ぐことができました。
それからもビジネスを毎日1時間程度続け、
3ヶ月後には月収15万円ほど稼げるようになったので、
ビジネスの収入をメインにしながら実家を手伝うという働き方になりました。
その後も収入は伸び続け、ついに僕の人生から会社に勤めるという選択肢が消え去りました。
この経験を通じて僕は思ったのです。
「今の状況を最善の選択だと思うのは危険なことだ」と。
当時の生き方を振り返ると、僕は人生に希望を持てる要素は何もありませんでした。
仕事はできない、世渡りも下手、給料も少ない、
特別なスキルも資格もない、学歴もない、
客観的に見ても、誰かに誇れるものはありませんでした。
学生時代からやっていた音楽も諦め、すべてが中途半端な人間だったのです。
それでもビジネスだけは投げ出さずに続けようと頑張った結果、
自力で稼げるようになり、転職活動をする必要がなくなりました。
僕は朝から晩まで働くことが運命だと、いつのまにか決めつけていたのです。
出世や昇給のために頑張ったり、
会社での居場所を守るために人に合わせたり、
少ない給料でやりくりしながら週末だけを楽しみに生きていく。
そんな生活を何十年も続け、定年を迎えたら第二の人生を楽しむ。
こんな誰かが決めた価値観に沿って生きるのは苦しくて当たり前です。
人生のプランが見えていて、その一つしか生き方がないんですからね。
目を引く学歴や特別なスキルを持たない僕のような人間は、
社会では底辺の存在として扱われ、苦痛を強いられます。
それをわかっていて、毎日を過ごすのは辛いものです。
僕はそんな生活なんて送りたくなく、
もっと自分の欲求に素直になれる生活を目指していました。
春は桜の名所をめぐったり、夏は友人たちとBBQや海水浴をしたり、
秋や冬は各地に旅行に行き、食べ物や景色を心ゆくまで楽しんだりと、
そんな生活をただただ送りたかっただけなのです。
しかし、それを実現するには給料以外の収入や時間がどうしても必要でした。
残業ばかりの会社に転職してしまえば、また会社に縛られる自由のない生活に逆戻りです。
幸いにも、運よくインターネットビジネスに出会ったことで、
今までの価値観も書き換わり、もっと好きなように生きていいんだと気づくことができました。
そして、今まで溜めこんでいた心の叫びがすっと消えていったのです。
「生き方は一つじゃない」
このことに気づけたことが僕の人生の転機になりました。
ほとんどの人が常識と思っている「会社勤めでしか生きていけない」
という何の根拠もない常識から解放されました。
給料以外の収入が今の給料を上回れば会社を辞めることもできます。
そうすれば朝から晩まで会社に缶詰めにされることもなくなります。
月に10万でも収入が増えれば、今より収入が減っても、残業がなく体への負担が少ない会社へ転職することもできます。
月に5万でも収入が増えれば、生活にも余裕ができて、普通の休日に旅行にいくこともできます。
会社以外の収入源を確立するというのはそういうことです。
たった数ヶ月頑張るだけでも収入が増えるので、今後取れる選択肢は増える一方です。
今の会社で一生働くような選択肢しかないのであれば、
ただ立ち止まって日々を消費していくのではなく、
選択肢を広げることができる方向へ頑張ってみるのも良いことだと思います。
他者に人生の主導権を握られたまま生きていくというのは、気分が良いものではないですからね。