Amazonが安い理由って気になりますよね。
他の通販サイトに比べて商品価格が安いのに配送も無料なので、どうしてそこまで安くできるのか?という疑問が生まれると思います。
しかし、そこには物販業界の裏事情があり、価格が安いのにもちゃんと理由があります。
僕はAmazonの販売者として5年以上の販売経験があるので、その経験も交えて解説していこうと思います。
それではいってみましょう。
目次
大量仕入れで価格を安くしている
まず、一番シンプルな理由として挙げられるのが、Amazonが大量仕入れすることによってメーカーが卸値を安くすることです。
Amazon以外の通販ショップは主に店舗がおのおのメーカーから商品を仕入れるので、一回の取引量も少なく卸値をあまり安くしてもらうことができません。
しかし、Amazonは一種類の商品を仕入れるにしても一気に数百~数千個単位で仕入れることもあるので、メーカーにとってはかなり大口のお得意様になります。
Amazonは毎月大量に発注をしてくれるので、メーカーからしてもAmazonとの取引がなくなるのは死活問題です。
メーカーというのは大量に商品の発注をするほど一個当たりの単価を下げるので、Amazonの規模になると他の中小ショップとは比にならないくらいの仕入れ価格で取引していることが予想できます。
当然、卸値が安ければ販売価格も下げることができるので、他の通販サイトよりも安い価格で商品を提供することができます。
Amazon側からしてもメーカーの立場はわかっているので、Amazonから卸値を安くしてくれと言われれば限界まで下げるしかありません。
そういった交渉がAmazonとメーカーとの間で行われていても何ら不思議がないので、その力関係が商品価格にも現れているのではないかと思います。
僕が以前メーカーから商品を仕入れて販売する際に、仕入れ値以下で間違って販売したことがありますが、それでもAmazonはこちらの価格よりも値下げをしてきたので、卸値がかなり安いということが推測できます。
出品者からの手数料で儲けているから
AmazonではAmazon本体とAmazon以外の出品者が販売できる形態をとっていて、出品者が販売する商品に関しては、売れた場合に売上げの約10%程度をAmazonに販売手数料として支払う形になっています。
Amazon本体が販売している商品も多いですが、一般の出品者も膨大にいるので、Amazonからすると販売手数料だけでもかなりの儲けになります。
Amazonの企業コンセプトの「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」でもわかるように、価格を下げればお客も喜ぶのでそれがお客を大切にすることにも繋がっていると考えられます。
配送代行サービスで儲けているから
出品者は多くは自社発送すると人件費やコストがかさむので、発送代行サービスを利用しています。
配送代行サービスを利用することで、直接運送会社と契約をするよりも安い送料で発送してもらえるので、出品者側は梱包時間や配送料の大幅なコストカットができます。
2018年のAmazon日本事業の売上は1.5兆円あるので、1日に換算すると41億円の売上になります。
もちろん、様々なサービスの売上も含まれますが、1日に発送される商品数も膨大な量になるので、配送代行の売上も相当な金額になります。
つまり、配送代行サービスから利益が出ているので、商品の価格を抑えることができるということです。
その他大手通販サイトは月額が高いから
Amazonで出品者が販売する際には、基本的には出品者側には月額費用は発生しません。
月額5000円程度で様々な恩恵を受けられる出品プランもありますが、出品者が払う金額は多くても5000円が上限です。
しかし、Amazonと並ぶ大手通販サイトの楽天市場では、出品者は販売手数料の他に月額を楽天に支払わないといけません。
事業主として本格的に店舗を稼働させるには、最低でもスタンダードプランを選ばないといけないので、月額5万円かかるようになります。
1個1000円の利益が出る商品を月に50個売って5万円の利益を出しても販売手数料が引かれてしまうので、店舗を維持するにはさらに利益を出す必要があります。
そうなると、必然的に商品の価格を高くせざるを得ないというのが現状だと思います。
しかも、楽天市場には店舗それぞれに専門のスタッフがいて人件費もかかるうえに楽天ポイントもお店が負担しないといけないので、より安値にしにくい状況があります。
見方を変えれば、Amazonが安いというより、楽天市場が高く販売しないといけない環境だということになります。
楽天市場の月額がもっと安ければ商品価格も下がるでしょうが、楽天市場から店舗離れが進まない限り望みは薄いと思います。
価格競争が行われているから
Amazonでは企業や個人事業主、副業感覚の個人出品者も多いので価格設定が個々の判断で行われます。
そして、基本的には商品一種類につき商品ページは一つしなかく、その中で安い順に出品者が並び替えられるようになっています。
もちろん、お客さんは価格が安いものに目をつけるので、我先にと売りたい人が先頭を切って値下げを始めます。
すると、それに気づいた他の出品者も便乗してどんどん値下げを行っていきます。
値下げ合戦になるのは個人出品者が多いことが原因で、個々の出品者の一時的な感情で値下げが行われています。
楽天市場は事業主として出店している店舗がほとんどなので、個人出品者がほとんどおらず、価格競争も起こりづらいです。
その一方でAmazonの個人出品者は商品の仕入れに身銭を切っているので、少しでも早く売りたいという気持ちや焦りが値下げに繋がっています。
最初は個人出品者が値下げをし、それにつられて他の個人出品者が値下げをし、売れなくなった事業主などが追いかけるように値下げをするといった状況です。
商品を販売する側からすれば、値下げは何のメリットもないですが、Amazon利用者からすれば値下げは嬉しいことなので、欲しいものがあれば出品者の数や価格の変動を見て安値で買ってみるのも面白いと思います。
僕も販売者側の心理を知っているので、高値の商品は値下げが行われそうなタイミングを見て安く購入しています。
顧客を離さないために安値にしている
Amazonは自社配送をしているため、商品が届くまでの日数も他の通販サイトの比じゃならないくらい早いです。
しかも、価格も安いとなれば通販サイトでの買い物はAmazon一択という人も大勢います。
ビジネス的な視点で考えると、顧客を手放さないために価格を安くしているという戦略も考えられます。
いくら早く届くといってもその他の通販サイトのほうが安ければ、一定の顧客はAmazonから離れていきますからね。
安い早いを維持していれば、たとえ商品の利益が少なくなったとしても毎回Amazonを利用してもらえるので、Amazonにとっても長期的な利益を生むことができます。
それに顧客を囲い込んでいれば、Amazonプライムやkindleなどの商品以外のサービスの利用にも繋がるので、商品価格を安くしてもAmazon側には十分メリットがあると言えます。
日本のAmazonプライム会員数は300万人程度といわれているので、プライム会員費だけで年間120億円の売上になります。
つまり、顧客がAmazonを継続的に利用してくれるのであれば、商品の価格を下げてもそれ以外の部分でカバーできるということです。
まとめ
1、大量仕入れで卸値を安くしている
2、ライバル通販サイトは出品者側の月額が高いので、利益を出すために商品価格を高くせざるを得ない
3、Amazonは商品価格を安くしてもその他のサービスから利益を出せる
こういった理由があるからこそ、Amazonは商品を安く売ることができます。
今回の話で物販業界の様々な裏事情が垣間見えたのではないでしょうか?
改めて考えてみると、Amazonの戦略には感心させられるばかりです。
Amazonは新たなサービスの開発や現在のサービスのバージョンアップに多額の資金を掛けています。
だからこそ成長し続けて世界のトップ企業にまでのし上がったのだと思います。
Amazonと同じようなサービスを提供できる会社はまだないので、まさに一強といえる状況です。
そういったAmazonの企業努力があるからこそ、それが商品価格にも反映されて顧客が継続利用するのでしょうね。
冒頭の方でも軽く話しましたが、僕はAmazonで出品者として月間140万円ほどの売上があります。
主にこういった方法で稼いでいますが、個人でも片手間で副収入を得られるので興味があれば見てみてください。